台風怖い。

　台風凄かったですね・・・。
　昨夜、ハクがいつも家を出る時間から酷くなるようだったので、いつもより早めに出勤しようと準備していたら・・・。
　携帯にメールが入る入る。
　ハクが家を出る時間を知っている人たちが、心配してメールを寄越してくれたのです。
　嬉しいなぁって思います。心配してくれる人がいるっていうのは、本当に本当に有り難い事で、そういう人たちはハクにとって宝です。
　が・・・・・。
「あぁ～～っ、メールに返信してると電車に乗り遅れる～～っ！！！！」
　一生懸命返信し続けましたが、とうとう全員に返す事が出来ず、急いで家を出ました。
　早めにといっても、家を出るのはいつもより１５分ぐらい早い程度。ただ電車に乗るので、いつもよりグッと早く着きます。
　急げ急げ。玄関開けて、まず一歩外に・・・出たら、家の前がプチ浸水でした。
　静かに扉を閉めるハク。
「あのさ、・・・どうやって向こうに行けば良いと思う？」
　背後で心配そうにしているハク母に問うが、「あ、歩いて行くしかないんじゃない？」「ですよね？」と、強行突破しろ。という案しか出なかったので、また扉を開けて立ち向かいました。
　いつもの感覚を思い出し、あまり低くない場所を選んで選んで足を置いて置いて・・・・、もう３歩ぐらいで脱出出来る！と思われたその時、右足にぐにゃりとした感覚が！！
　──泥にはまっちゃった・・・・。
　もう帰りたい。
　自宅を出てさほど経ってませんが、その状態のまま切実にそう思いました。
　が、帰るにしても浸水をまた戻らねばならないわけで。しかたなく進みました。
　大変だったのは自宅前だけで、風にさえ気をつければ、さほど問題はなさそうで。
　電車に乗って、最寄り駅で降りて、ポテポテと歩いて・・・。
　途中にある歩道橋を登って・・・、登って・・・・。
　と、飛びそうかなり本気で。すげぇ浮遊感タップリ。
　家を出る前にもらったメールに、『傘持って飛んだら、メリーポピンズみたいだね！』（分からない子はお母さんに聞いてね！）などと宣っていたのがありましたが、本当に飛びかけている人間にとっては、傘持って飛ぶ事はファンタジーでは済まされないわけです。
　生死かかってるからっ！
「あのやろう～～っ、覚えてろよ～～～っ！！！」
　決してその人のせいではないんですが、なぜか怒りを覚え、ブチブチ言いながら職場へ到着。
　仕事もしてないのに、徹夜で仕事してる風情で中に入り、タイムカードを切って・・・なんてしてたら、別の部署の女性と遭遇。
「あっ、ハクさん来ちゃったのっ！？」
「来ましたよ～～・・・」←ヨレヨレ。
「今ね、この仕事終わったら、『風が強いから今日は来ない方が良いよ』ってメールしようと思ってたの！」
　その気遣い凄く嬉しいんだけど・・・っ・・・、部署違うから・・・っ・・・・本当にそのメールもらって休んじゃってたら、職人達吃驚すると思うよ・・・っ！？
　なんというか・・・、この人のこういう所がホントに好きです、実は。可愛らしい。
　その後、「飛ばなかった？」と尋ねられ、飛びかけたけど「飛んでませんよ」と返し、女子ロッカーへ。
　・・・・・・・・・蒸し蒸し。
　湿度たんまり。こんな場所でどれだけ静かにしてたって、汗なんてひかないっての。
　いつもは、こっそりと冷凍庫（注：中に何も入ってない）を開けて団扇で扇ぎ、手動冷房を作っているのですが、もはやそんな気にもならず。
　珍しくペットボトルで買った珈琲を片手に食堂へ。
　あ～～～、涼しい～～～っ・・・・・・・・・つーか、寒いぐらいだよ。
　この涼しさを女子ロッカーにわけろってんだよ、ったく。と悪態吐きながら、ダラダラ。
　普段、仕事開始前に食堂行くなんて事しないんで、出勤してきた人に多少吃驚されましたが問題なし。
　適度に涼んでロッカーに戻ると、おじいちゃん達がすでに揃っていて。
「お、ハクさんきたか？」
「はい～」
「来る時大丈夫だったか？飛ばなかったか？」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・飛んでません」
　あのさ・・・、ハクって台風の日に飛んじゃうイメージがあるのかな・・・？
　いや台風だけじゃなく、風が強い日はかなりの頻度で「飛ばなかったか？」って聞かれるんだけど・・・？
　しかも、ハクがいつも徒歩で出勤してるのを知ってる方から、「今日は歩いてきたの？」と問われたんで、
「いえ、電車で」
「電車っ！？電車できたのっ！？・・・あぁ、そうか電車か」
　と、かなり驚かれたのですが、この人はハクが台風でも徒歩で来ていると信じていたから驚いたのでしょうか？それとも、飛んできたと思っていたから驚いたんでしょうか？
　問いつめてみたかったのですが、後者だったらかなり悲しい気分になるので止めておきました。
　あ、車で来たと思ったのかな？・・・・いや、ハクが車に乗る方が、イメージ湧かない気がするな。やっぱ飛んできたと思ったんだ。
　お仕事自体はさほど変化はなかったです。いつも通りに終了。
　ただ、行きより帰りの方が辛かった。
　途中で何度も風に煽られ、全然違う方向に歩いてたりしました。
　それでもハクはこんな感じで済みましたが、笑って居られない方達も沢山居るわけで。
　台風が去った後も、被害が拡大しなければいいな。とテレビを見ながら思っています。