雪だ雪だ。

　帽子を気にしていたおじいちゃんは、翌日、出勤したハクの頭に帽子があるのを見て、
「うんうんっ、被ってるなっ！！」
　と、妙に頷きながら納得していました。
　・・・・もしかしたら、帽子もハクの一部だと思ってんのかな・・・。
　帽子被ってるの、そんなに定着したんだろうか・・・。

　年末年始の短期バイトさん達が居なくなり、やっと落ち着きを取り戻し始めた我が職場。
　ふぅ～、良かったっ・・・！
　とにかく落ち着かなくて、ほんっと忙しない感じでした。
　さて、そんな短期バイトさん達は、様々な人がいます。
　その中の一人に、確実に同じ匂いのする女性が居まして。
　パッと見ただけで、お仲間だ。とわかる外見の方です。
　そういう方って、年齢がわからないんですよね。若いような思っている以上に年を重ねているような、って感じで。
　ハクはさほどその女性の年齢を気にしなかったんですが、おじいちゃん達はかなり気にしていたようで。
　去年も来ていた人なので、その気になり具合は相当だったようです。
　そんな中、その女性とおじいちゃん達が話をしていた時、ソレは起こりました。
　おじいちゃん達の一人に、ものすごい紳士的な方が居ます。
　見た目はものすごく体育会系で、色々スポーツもやっていらっしゃるらしいそのおじいちゃんは、とても女性に優しいのです。
　床に散らばったゴミを素手で集めていたハクに、「良いよ良いよそんな事しないで。爪が割れちゃうから」とサッと横から現れたりするのです。
　そんなおじいちゃんは、その女性が他のおじいちゃん達に年齢の話を振られている時、こう言ったのです。
「それで、君はミスなのかな？ミセスなのかな？」
　普通、絶対こうは聞かないと思う。もっと直接的な聞き方をすると思うんです。
　この聞き方がものすごく自然に口から出たって感じなので、やっぱりこの方は普段から女性にこういう接し方なんだと思います。
　いやもうね、ちょっと感動の域に達しそうでした。
　元々かなり好感を持っているおじいちゃんでしたが、この一件以来、ハクは更に好感を持ってしまいました。
　良い人達に囲まれて、お仕事させてもらってます、ホントに。

　最近、寒い寒いと言われてますけど、ハクの子供の頃はこんな感じに冬は寒かった気がします。
　朝、外に出れば、吐く息は普通に白く身体を冷やしながら通学したモンです。
　そう考えると、やはり温暖化が進んでるのかなぁと思ったりします。
　関東の方は、今夜から月曜日にかけて雪が降るそうです。
　こんな事書くと、東北地方の人は何を今更。なんて思っちゃうかも知れませんね（笑）。
　積もるかな？積もるとソレはソレで通勤通学が大変になって、困る方も増えるんですけどね・・・。
　それでもやっぱり、楽しみにしちゃうのは否めません。