その時その時楽しんでいるモノを、無節操に書き連ねています。
日常、ゲーム、手芸以外にも、お人形も普通に登場しております。
大きさ、メーカー、性別も様々、意志を持って話している時もありますから、苦手な方はご遠慮ください。
微温猫庭園というディーラー名で、イベントに参加しています。
写真の無断転載も禁止です。
いささか頼りない足取りだが、金髪双子は両手に荷物を持って山道を歩いていた。
本当なら、こんな仕事やりたくない。
家でゴロゴロしてたり、悟空が遊んでいるのを目の端で見ていたりしたい。
が、出来ない事情がココにある。
「・・・世の中には、すげぇ物好きがいるもんだな」
「・・・世界は広いからな・・・」
諦めたように呟いた双子は、持っていた荷物をソッと玄関の前に置き、迷うことなく踵を返した。
こんな事したくないけど、「金蝉、三蔵、ありがとな!」と屈託のない笑顔で告げられる言葉欲しさに、彼らは宅配便をやっていたりするのだ。
「さっさと帰るぞ」
「言われなくても帰る」
ちょっと息を切らし気味のオコジョ二人は、先を争うように今来た道を戻り始めた。
「ふんふんふ~ん」
ご機嫌全開で尻尾を振りまくっているウサギさんは、ウサギスリッパを装着した足で軽快なスキップを披露していた。
なんせ、待ちに待った例のアレが届く日。
「僕の子猫ちゃん達は、今回は何をくれたんでしょうか~?」
世の中は広いモノで、家事は勿論、生活能力がさほどないウサギさんを好む人達がいる。
そんな心優しいお嬢さん方が、時折ウサギ宛にプレゼントをくれるのだ。
「んふふ~、楽しみです~v」
玄関でスリッパを脱ぐと、適当なサンダルに履き替え、イソイソと扉を開ける。
ソコには、段ボールがチョコリと置いてあった。
律儀に貼られた伝票には、「ウサ天様」と記されている。
「着ました~!」
ヘラリと笑い、段ボールをヒョイと肩に担ぐと、片手で扉を閉めてまたスリッパを履く。
「けんれ~ん」
高揚する気持ちのまま、キッチンで料理の下ごしらえをしている捲簾の名前を呼ぶ。
「ん~?」
「きました!僕のファンがお菓子を贈ってくれました!」
「良かったなぁ~」
まるで子供を褒めるように天蓬の頭を撫でてやると、
「みんな僕を愛しちゃってるんですねぇ~v」
と、否定してやった方が良いのか肯定してやった方が良いのか、今ひとつわからない言葉を吐き出すウサギに、捲簾はただ笑みを浮かべるだけでやり過ごす。
「何があるかな~?」
そんな仙人の心中など察しないし察しようともしない天蓬は、容赦なく箱を開けだす。
中から溢れてきたのは・・・。
「あっ、お煎餅だ!ラーメンやバスボムに・・・へぇ~、見た事ないジャガイモのお菓子だです・・・ぽっくる?」
感心しつつ見ていた天蓬だが、キョトリと首を傾げる。
「捲簾」
「なんだ?」
「ドエムって書いてあるガマグチが出てきたんですけど」
「それはお前か悟浄専用だな。お前が使わないなら悟浄にやれよ」
「そうですね・・・、あ、コッチは僕が着けようっと」
いささか用途不明なモノが混じってはいたものの、珍しい差し入れに天蓬はウキウキと漁り続けたのだった。
前もって知らされておいた時間に訪れた八戒と悟浄は、出迎えてくれた天蓬の首に「ドエム」と書かれたガマグチがぶら下がっているのを見た途端、「あぁ、新手のプレイだな」と疑う事もなく思った。
なんせ、この二人だ。
他者が居ようが居まいが、さほど問題ではない。やりたい事をやるだけだ。
「今回もお菓子贈ってくれてますよ~」
「それは良かったですねぇ」
「楽しみ~」
会話も、全くソレに触れない。
むしろ、触れたくない。
テーブルには、前もって皿にお菓子を広げておいてあり、すぐに食べられるようになっていて。
捲簾が丁寧に入れた珈琲も並び、いよいよお茶会となった。
「うわっ、このマヨネーズおかきっ、すっごく後引く!」
「この手のって止まらねぇよなぁ・・・」
「こっちのラーメンすげぇな。シロクマだって」
「ココまでパッケージに調理済みの写真がないと、もはやシロクマ入りと勘違いしそうですねぇ」
「あ、こっちのは2食分のラーメンです」
「こういう麺ってなんかクセになって美味いんだよな」
「素朴・・・ていうか、懐かしい味なんですよね」
「俺食った事ないから食ってみたい」
「折角だから、二つのウチどっちか一つ持ってけよ」
「迷う~!」
ボリボリと軽快な音を立てつつ、お喋りは止まらない。
「あれ、コレってちょっと巷で話題になってるお菓子でしょ?」
「限定ってヤツ?フライドポテトそのまんまって感じで詰まってるぜ」
「一つ開けちゃおうv・・・・あっ、美味しい!」
「やっぱり話題になるだけあるんだな・・・ってっ、お前何やってんだよ!!」
一本口に入れたウサギさんは、なんと一袋一気に口に放り込んでしまったのだ。
「なんほんふらいおくひにひゃいるひゃな~って」
「そんな勿体ない食い方するな!」
「えっ、怒る所ってソコですか!?」
「・・・天蓬は少々の事じゃ怪我とか病気しそうにないしな」
「・・・確かに」
「八戒、バスボムも貰ったみたいだぜ」
「わっ、ホントだ!良い香りですねぇ・・・。コッチはバブルバスになるのかな?ウチはお湯を溜めるタイプの浴槽だから、貰ってイイでしょうか?」
「天蓬っ、一気食いするなって!」
「らって~!」
「・・・・・聞いてねぇから、良いんじゃねぇかな?」
「そうですね・・・」
「でもさぁ、世の中にはホントに奇特なヤツがいるよなぁ」
「このウサギにですからねぇ・・・」
「ウサギ・・・には見えねぇだろ?」
「・・・・どうして、パンダ耳のカチューシャ着けてるんでしょうか・・・?」
「そんなに耳増やしてもしょうがねぇのに」
「そういう問題じゃないですよ、悟浄」
ちょっと論点がずれてしまったが、これ以上話しても答えは出そうにないので、二人はまだ開封されていないせんべいに手を出した。
彼らのお茶会は、こうして過ぎていったのでした。

ありがとうございました!
本当なら、こんな仕事やりたくない。
家でゴロゴロしてたり、悟空が遊んでいるのを目の端で見ていたりしたい。
が、出来ない事情がココにある。
「・・・世の中には、すげぇ物好きがいるもんだな」
「・・・世界は広いからな・・・」
諦めたように呟いた双子は、持っていた荷物をソッと玄関の前に置き、迷うことなく踵を返した。
こんな事したくないけど、「金蝉、三蔵、ありがとな!」と屈託のない笑顔で告げられる言葉欲しさに、彼らは宅配便をやっていたりするのだ。
「さっさと帰るぞ」
「言われなくても帰る」
ちょっと息を切らし気味のオコジョ二人は、先を争うように今来た道を戻り始めた。
「ふんふんふ~ん」
ご機嫌全開で尻尾を振りまくっているウサギさんは、ウサギスリッパを装着した足で軽快なスキップを披露していた。
なんせ、待ちに待った例のアレが届く日。
「僕の子猫ちゃん達は、今回は何をくれたんでしょうか~?」
世の中は広いモノで、家事は勿論、生活能力がさほどないウサギさんを好む人達がいる。
そんな心優しいお嬢さん方が、時折ウサギ宛にプレゼントをくれるのだ。
「んふふ~、楽しみです~v」
玄関でスリッパを脱ぐと、適当なサンダルに履き替え、イソイソと扉を開ける。
ソコには、段ボールがチョコリと置いてあった。
律儀に貼られた伝票には、「ウサ天様」と記されている。
「着ました~!」
ヘラリと笑い、段ボールをヒョイと肩に担ぐと、片手で扉を閉めてまたスリッパを履く。
「けんれ~ん」
高揚する気持ちのまま、キッチンで料理の下ごしらえをしている捲簾の名前を呼ぶ。
「ん~?」
「きました!僕のファンがお菓子を贈ってくれました!」
「良かったなぁ~」
まるで子供を褒めるように天蓬の頭を撫でてやると、
「みんな僕を愛しちゃってるんですねぇ~v」
と、否定してやった方が良いのか肯定してやった方が良いのか、今ひとつわからない言葉を吐き出すウサギに、捲簾はただ笑みを浮かべるだけでやり過ごす。
「何があるかな~?」
そんな仙人の心中など察しないし察しようともしない天蓬は、容赦なく箱を開けだす。
中から溢れてきたのは・・・。
「あっ、お煎餅だ!ラーメンやバスボムに・・・へぇ~、見た事ないジャガイモのお菓子だです・・・ぽっくる?」
感心しつつ見ていた天蓬だが、キョトリと首を傾げる。
「捲簾」
「なんだ?」
「ドエムって書いてあるガマグチが出てきたんですけど」
「それはお前か悟浄専用だな。お前が使わないなら悟浄にやれよ」
「そうですね・・・、あ、コッチは僕が着けようっと」
いささか用途不明なモノが混じってはいたものの、珍しい差し入れに天蓬はウキウキと漁り続けたのだった。
前もって知らされておいた時間に訪れた八戒と悟浄は、出迎えてくれた天蓬の首に「ドエム」と書かれたガマグチがぶら下がっているのを見た途端、「あぁ、新手のプレイだな」と疑う事もなく思った。
なんせ、この二人だ。
他者が居ようが居まいが、さほど問題ではない。やりたい事をやるだけだ。
「今回もお菓子贈ってくれてますよ~」
「それは良かったですねぇ」
「楽しみ~」
会話も、全くソレに触れない。
むしろ、触れたくない。
テーブルには、前もって皿にお菓子を広げておいてあり、すぐに食べられるようになっていて。
捲簾が丁寧に入れた珈琲も並び、いよいよお茶会となった。
「うわっ、このマヨネーズおかきっ、すっごく後引く!」
「この手のって止まらねぇよなぁ・・・」
「こっちのラーメンすげぇな。シロクマだって」
「ココまでパッケージに調理済みの写真がないと、もはやシロクマ入りと勘違いしそうですねぇ」
「あ、こっちのは2食分のラーメンです」
「こういう麺ってなんかクセになって美味いんだよな」
「素朴・・・ていうか、懐かしい味なんですよね」
「俺食った事ないから食ってみたい」
「折角だから、二つのウチどっちか一つ持ってけよ」
「迷う~!」
ボリボリと軽快な音を立てつつ、お喋りは止まらない。
「あれ、コレってちょっと巷で話題になってるお菓子でしょ?」
「限定ってヤツ?フライドポテトそのまんまって感じで詰まってるぜ」
「一つ開けちゃおうv・・・・あっ、美味しい!」
「やっぱり話題になるだけあるんだな・・・ってっ、お前何やってんだよ!!」
一本口に入れたウサギさんは、なんと一袋一気に口に放り込んでしまったのだ。
「なんほんふらいおくひにひゃいるひゃな~って」
「そんな勿体ない食い方するな!」
「えっ、怒る所ってソコですか!?」
「・・・天蓬は少々の事じゃ怪我とか病気しそうにないしな」
「・・・確かに」
「八戒、バスボムも貰ったみたいだぜ」
「わっ、ホントだ!良い香りですねぇ・・・。コッチはバブルバスになるのかな?ウチはお湯を溜めるタイプの浴槽だから、貰ってイイでしょうか?」
「天蓬っ、一気食いするなって!」
「らって~!」
「・・・・・聞いてねぇから、良いんじゃねぇかな?」
「そうですね・・・」
「でもさぁ、世の中にはホントに奇特なヤツがいるよなぁ」
「このウサギにですからねぇ・・・」
「ウサギ・・・には見えねぇだろ?」
「・・・・どうして、パンダ耳のカチューシャ着けてるんでしょうか・・・?」
「そんなに耳増やしてもしょうがねぇのに」
「そういう問題じゃないですよ、悟浄」
ちょっと論点がずれてしまったが、これ以上話しても答えは出そうにないので、二人はまだ開封されていないせんべいに手を出した。
彼らのお茶会は、こうして過ぎていったのでした。
ありがとうございました!
PR
カテゴリー
カレンダー
カウンター
ブログ内検索
最新記事
(06/03)
(06/03)
(06/01)
(05/31)
(05/29)
(05/27)
(05/26)
アーカイブ