そんなある日の午後。

　それは、ハクがチクチクとチワワの雰囲気をしているモノを作っている時でした。



↑ちわわっぽいもの。
「あ～、凌駕さんが好きなちわわんは、普通のチワワっていうより、若干逞しい感じがするんだよなぁ……。でもコレじゃ可愛い感じだし……まぁ、まだまだ勉強中。何度か作って、その度に送りつければいいや。そうしたらそのうち慣れてくれるだろうし」
　等と、考えている時に、突如インターホンが鳴ったのです。
　そう、お届け物でした。

　凌駕さんは、ハクが二次元で必死になっていた時から懇意にしてくれる方です。
　……付き合いは、いつからになるかなぁ……。
　園生さん（こちらも二次元の時から懇意にしてくださってる方です）と凌駕さんの日記のやり取りに、ウチのサークルらしき話が出ていて、「ウチかな？まさかありえんだろうに」なんて思ってたら実は本当にウチの事で。
　その頃からの付き合いだから、そうだなぁ、気づけば数年が経過しているんだなぁ……。

　それなのに。

　凌駕さんから、イベントに着るお洋服が届きました。
　うん、清楚っぽいね。
　袋を開けてまず思ったのが、「これ、どれから着れば良いんだろう？」でした。
　そう思ったのはハクだけではないらしく、家族で「コレが先か！？」「いやまずコッチだろう！？」とてんやわんやです。
　ヒィヒィ言いながら、なんとか着用し、エプロンまで装着し、急いで脱衣所へ。
　己の姿を見て、ハクは思ったのです。

「凌駕さん……付き合い長いと思うんだけど、コレをハクに着せたいと思うイメージを持って居るんだろうか……」

　いや待て待て。ハクの腹黒さを知りつつ、なのに表面は清楚系というそういうギャップを楽しみたいのかもしれん。
　なぁるほど～！
　……えっと、この袖口のヒラヒラ隠すコートあったかな……。
　それと、やっぱりブーツだよね、コレ。
　明日靴屋行って、子供用のショートブーツ買って……。
　フフ……ッ…フフフッ……！
　皆っ、当日見に来て微笑ましい瞳で見つめると良いよっ！

　あっ、ホットケーキが流行りだした！
　きっと他の人もコッソリと食べているに違いない！