その時その時楽しんでいるモノを、無節操に書き連ねています。
日常、ゲーム、手芸以外にも、お人形も普通に登場しております。
大きさ、メーカー、性別も様々、意志を持って話している時もありますから、苦手な方はご遠慮ください。
微温猫庭園というディーラー名で、イベントに参加しています。
写真の無断転載も禁止です。
今、この瞬間まで寝ていたとは思えない速度で、八戒は瞼を持ち上げた。
今だ暗い部屋の中。
時間はまだ深夜という頃。
しかし、そんな事に拘る余裕がない八戒は、慌てて隣に手を伸ばした。
いつもソコでクゥクゥ眠っている悟浄。
その温もりを探す為だ。
けれど、八戒の手が触れたのは、タダのサラリとしたシーツだけ。
「悟浄・・・?」
上半身を起こし辺りを見渡すが、求めている姿はない。
「悟浄・・・っ!?」
ベッドから下りた八戒は、慌てて部屋を飛び出して、明かりの点いている方向へと走り出した。
「ふんふんふ~~んv」
小さな個室で、悟浄は鼻歌交じりに生理的欲求を解消中だった。
オネムの前に飲んだピルクルを、現在放出中なのだ。
「おかわりしちゃったもんなぁ~v」
やはり、鼻歌交じりの悟浄の背後で、扉は思い切り開けられた。
「悟浄っ!!!」
「うにゃっ!!」
あまりの吃驚に、尻尾も膨らみピーンと立ってしまうのだが・・・。
ちっこは、途中で止まらないのだ。
「なっ、なんだっ!?どうしたんだっ!?」
「悟浄っ、ココにいた・・・っ!!」
「ちっ、ちっこだからっ、おといれにいるんだっ!」
「そうですね、ちっこですね」
納得した感じではあるが、その場から動こうとしない八戒に、悟浄は慌ててちっこを終了させる。
パンツとズボンをちゃんと上げて、お水を流して。
八戒に見つめられながら、洗面所で悟浄用の足場に乗って、おてても洗って。
「おしまいv」
「良くできましたv」
褒めてナデナデした八戒は、その身体をすぐに抱き上げた。
「・・・はっかい?」
いつもの大好きな抱っこ。けれど、いつもとは違う力の入り方に、悟浄がキョトリと頭を傾ける。
「ちょっとね、夢を見ちゃったんで・・・」
「ゆめ?」
寝室に向かう八戒の足取りも、どことなく危うい。
「悟浄がね、僕にバイバイしちゃうんです・・・」
「おれがばいばい・・・・っ!?」
有り得ない出来事に、悟浄はまん丸の目を更にまん丸にして見せた。
「悟浄がね、僕の知らない男性と手を繋いでるんです。そして言うんです。『おれな、きょうからこのひとのかいねこになる。ごはんもおいしーし、おへやもひろいし。だからはっかい、ばいばいだ』って」
八戒は、悟浄を抱く手に更に力を込める。
「僕がどんなに待ってって叫んでも、悟浄は待ってくれなくて・・・。このお家にひとりぼっちになっちゃって・・・。悟浄を取り返しに行こうと思っても、ドコに行ったか分からなくて・・・」
着いたベッドに静かに悟浄を下ろすと、八戒はその隣に身を滑り込ませた。
「悲しくて悲しくて、泣きそうな気持ちで起きたら、現実でも悟浄が居ないし、ちょっと動揺しちゃいました」
「はっかい・・・」
サラリと言う八戒だが、悟浄に常にない抱きつき方がその不安を表していた。
労りなど欠片もなく、ただただ必死に悟浄を腕の中に押し込み、決して離そうとはしない。
八戒にとって、悟浄は家族で大事なパートナーだ。
そんな相手を、誰かに持って行かれるなんて、冗談じゃない。
「おれは、はっかいのねこだ」
ちょっと苦しいけれど、悟浄は頑張って口を開く。
「だれかのねこじゃねぇよ?はっかいが、おれをひろってちゃんとねこにしてくれたんだ。だからおれははっかいのものだ」
「悟浄・・・」
「おれは、はっかいがだーいすきなんだ。はっかいのごはんもだいすきだし、なでなでもぎゅーもすきだ。・・・ううん、ごはんなくってもいいんだ。はっかいがいてくれたら、おにぎりいっこでも、ふたりではんぶんこでおなかいっぱいなんだ」
「そんな・・・そんなひもじい思いは絶対にさせません・・・!」
「はっかいがいいんだ。はっかいだけが、いいんだ」
小さい手を隙間から伸ばして、必死に八戒の頭をナデナデする。
お家に来たばかりの頃、野良の時を夢に見て、悟浄は何度もうなされた。
その時に、こうしてナデナデしてもらったのを思い出しながら、一生懸命ナデナデした。
「んとんと、あいしてるv ってやつなんだ」
「悟浄ったら・・・!」
小さい悟浄の力強い説得に、薄暗い中僅かに八戒の目が揺らめく。
「おれがなでなでしててあげるから、はっかいおねむしていいんだぞ?」
一人前に言う悟浄に苦笑しつつ、八戒は頷いて瞼を下ろす。
勿論、そのまま寝入る事なんてない。
けれど、八戒が寝たと信じた悟浄は、しばしナデナデをしていたが、やがてパタリと腕を下ろした。
そ~~っと八戒が瞼を上げれば、そこには満足そうな顔でオネムしちゃってる悟浄の顔がある。
「大人になりましたねぇ・・・」
何時までも子猫ちゃんだと思っていたのに、気づいたらちゃんと相手を甘やかしてあげる優しさも持ち始めていた。
「捲簾やテン兄さんのお陰ですね・・・」
与えられるばかりではない。与えられたモノを更に倍にして相手に与える。
そういう優しさのサイクルを、悟浄は自然に学んでいるのだろう。
「明日の朝ご飯、力入っちゃいそうです・・・」
クスクス笑い、八戒は今度こそ眠るために瞼を下ろした。
今度は、怖い夢なんて見ない。
今度見る夢は、きっと豪華な朝ご飯に驚く悟浄の姿だ。
ソレは、決して夢では終わらないのだが。
「お休み、悟浄」
半分眠りに落ちながら、八戒は世界で一番大切な温もりを抱き締め直した。
今だ暗い部屋の中。
時間はまだ深夜という頃。
しかし、そんな事に拘る余裕がない八戒は、慌てて隣に手を伸ばした。
いつもソコでクゥクゥ眠っている悟浄。
その温もりを探す為だ。
けれど、八戒の手が触れたのは、タダのサラリとしたシーツだけ。
「悟浄・・・?」
上半身を起こし辺りを見渡すが、求めている姿はない。
「悟浄・・・っ!?」
ベッドから下りた八戒は、慌てて部屋を飛び出して、明かりの点いている方向へと走り出した。
「ふんふんふ~~んv」
小さな個室で、悟浄は鼻歌交じりに生理的欲求を解消中だった。
オネムの前に飲んだピルクルを、現在放出中なのだ。
「おかわりしちゃったもんなぁ~v」
やはり、鼻歌交じりの悟浄の背後で、扉は思い切り開けられた。
「悟浄っ!!!」
「うにゃっ!!」
あまりの吃驚に、尻尾も膨らみピーンと立ってしまうのだが・・・。
ちっこは、途中で止まらないのだ。
「なっ、なんだっ!?どうしたんだっ!?」
「悟浄っ、ココにいた・・・っ!!」
「ちっ、ちっこだからっ、おといれにいるんだっ!」
「そうですね、ちっこですね」
納得した感じではあるが、その場から動こうとしない八戒に、悟浄は慌ててちっこを終了させる。
パンツとズボンをちゃんと上げて、お水を流して。
八戒に見つめられながら、洗面所で悟浄用の足場に乗って、おてても洗って。
「おしまいv」
「良くできましたv」
褒めてナデナデした八戒は、その身体をすぐに抱き上げた。
「・・・はっかい?」
いつもの大好きな抱っこ。けれど、いつもとは違う力の入り方に、悟浄がキョトリと頭を傾ける。
「ちょっとね、夢を見ちゃったんで・・・」
「ゆめ?」
寝室に向かう八戒の足取りも、どことなく危うい。
「悟浄がね、僕にバイバイしちゃうんです・・・」
「おれがばいばい・・・・っ!?」
有り得ない出来事に、悟浄はまん丸の目を更にまん丸にして見せた。
「悟浄がね、僕の知らない男性と手を繋いでるんです。そして言うんです。『おれな、きょうからこのひとのかいねこになる。ごはんもおいしーし、おへやもひろいし。だからはっかい、ばいばいだ』って」
八戒は、悟浄を抱く手に更に力を込める。
「僕がどんなに待ってって叫んでも、悟浄は待ってくれなくて・・・。このお家にひとりぼっちになっちゃって・・・。悟浄を取り返しに行こうと思っても、ドコに行ったか分からなくて・・・」
着いたベッドに静かに悟浄を下ろすと、八戒はその隣に身を滑り込ませた。
「悲しくて悲しくて、泣きそうな気持ちで起きたら、現実でも悟浄が居ないし、ちょっと動揺しちゃいました」
「はっかい・・・」
サラリと言う八戒だが、悟浄に常にない抱きつき方がその不安を表していた。
労りなど欠片もなく、ただただ必死に悟浄を腕の中に押し込み、決して離そうとはしない。
八戒にとって、悟浄は家族で大事なパートナーだ。
そんな相手を、誰かに持って行かれるなんて、冗談じゃない。
「おれは、はっかいのねこだ」
ちょっと苦しいけれど、悟浄は頑張って口を開く。
「だれかのねこじゃねぇよ?はっかいが、おれをひろってちゃんとねこにしてくれたんだ。だからおれははっかいのものだ」
「悟浄・・・」
「おれは、はっかいがだーいすきなんだ。はっかいのごはんもだいすきだし、なでなでもぎゅーもすきだ。・・・ううん、ごはんなくってもいいんだ。はっかいがいてくれたら、おにぎりいっこでも、ふたりではんぶんこでおなかいっぱいなんだ」
「そんな・・・そんなひもじい思いは絶対にさせません・・・!」
「はっかいがいいんだ。はっかいだけが、いいんだ」
小さい手を隙間から伸ばして、必死に八戒の頭をナデナデする。
お家に来たばかりの頃、野良の時を夢に見て、悟浄は何度もうなされた。
その時に、こうしてナデナデしてもらったのを思い出しながら、一生懸命ナデナデした。
「んとんと、あいしてるv ってやつなんだ」
「悟浄ったら・・・!」
小さい悟浄の力強い説得に、薄暗い中僅かに八戒の目が揺らめく。
「おれがなでなでしててあげるから、はっかいおねむしていいんだぞ?」
一人前に言う悟浄に苦笑しつつ、八戒は頷いて瞼を下ろす。
勿論、そのまま寝入る事なんてない。
けれど、八戒が寝たと信じた悟浄は、しばしナデナデをしていたが、やがてパタリと腕を下ろした。
そ~~っと八戒が瞼を上げれば、そこには満足そうな顔でオネムしちゃってる悟浄の顔がある。
「大人になりましたねぇ・・・」
何時までも子猫ちゃんだと思っていたのに、気づいたらちゃんと相手を甘やかしてあげる優しさも持ち始めていた。
「捲簾やテン兄さんのお陰ですね・・・」
与えられるばかりではない。与えられたモノを更に倍にして相手に与える。
そういう優しさのサイクルを、悟浄は自然に学んでいるのだろう。
「明日の朝ご飯、力入っちゃいそうです・・・」
クスクス笑い、八戒は今度こそ眠るために瞼を下ろした。
今度は、怖い夢なんて見ない。
今度見る夢は、きっと豪華な朝ご飯に驚く悟浄の姿だ。
ソレは、決して夢では終わらないのだが。
「お休み、悟浄」
半分眠りに落ちながら、八戒は世界で一番大切な温もりを抱き締め直した。
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